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森美術館×音楽ワークショップに参加


11月半ば、森美術館『カタストロフと美術のちから』展関連イベントとして開催された、音楽ワークショップに参加してきました。(森美術館×日本フィルハーモニー交響楽団「メメントMORI―美術と音におけるシンボル」)ワークショップデザイン&ファシリテーターは Michael Spencerさん、各グループナビゲーターは日本フィルメンバーの皆さん。

カタストロフ・・大災害や戦争などによって引き起こされる日常生活の崩壊や突然の変化・・企画展のテーマは重いものですが、マイクさんのユーモア溢れるトークやサン=サーンスの音楽で、和やかで充実した学びの時間でした。 https://www.mori.art.museum/…/exhibi…/catastrophe/index.html

中世では黒死病の流行などにより、人の命は儚いもの、死に際しては地位も身分も関係ないという考えが広まり、芸術分野では「メメント・モリ」をテーマに掲げた作品が多く生み出されました。そうした美術や音楽におけるシンボルを学び、実際に展示作品を見ながらそこに象徴・表現されているものを読み解いていく、というワークショップの内容でした。様々な絵画の事例も紹介され、イメージが膨らんでいきます。日本にも「九相図」などの絵画があるんですね。

我々参加者はグループに分かれ、6つの作品を対話しながら鑑賞し、その後全員で感想をシェアしました。皆さんそれぞれ観点や考え方が違って興味深かったです。鑑賞作品の一つは、100個の時計の裏面に、防護マスクを装着した除染作業員の顔をスクラッチで描いた作品「Black Color Timer」。一見黒くて何も見えないのですが、光の当たり方によって輪郭が露わになり、黒子のように姿が浮かんできます。100個の時計からは針の音が聞こえ、タイムリミットを告げているような静かな迫力が感じられました。全体的に災厄そのものを表現した作品が多いですが、武器を溶かして制作された「鐘」は鎮魂と平和を、LEDカウンターを用いたインスタレーション「時の海ー東北」は生命のサイクルを、それぞれ表現しているように感じました。あえて事前に情報を入れずに行きましたが、皆さんと意見交換しながらの鑑賞は実り多かったです。

このカタストロフというテーマに対して選ばれた音楽は、サン=サーンス『死の舞踏』。夜中12時を告げる鐘の音、悪魔の囁き、骸骨の踊りなど、この曲には様々なシンボルが隠されています。マイクさんの解説に続き、日本フィルメンバーの方々がピアノクインテットで演奏してくれました。また曲中に登場するグレゴリオ聖歌の「怒りの日 (Dies Irae)」のテーマを我々も歌いました!( このテーマはラフマニノフ「パガニーニの主題による変奏曲」でも使われており、翌週のマチネ公演で同曲が演奏されそうです)

音楽と美術は共通するテーマが多く、角度を変えて学ぶことができるので理解が深まりますね。森美術館のキュレーションも毎回大変興味深いので、次の機会も楽しみにしたいと思います。


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