• essugano

ボーダーレスな心が集まった時


先日、国民投票によってEU離脱が決定的となったイギリス。その直後から、投票結果の無効化ややり直しを求める署名活動などが始まり、国内外を巻き込んだ世論を揺るがしています。グローバル化に対する世代間の意識の違いが浮き彫りになりましたが、やはり都市部や若年層にはEU残留を求める声が強い。物理的にも意識的にもボーダーレスなのですね。

音楽家も同じです。この投票結果が出た翌日、イギリス国内外の音楽家が続々と集まり、セイント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会の前で、ベートーヴェン第九を合奏・合唱したそうです。こちらがその記事と映像。誰もが見ず知らずの他人同士ながら、求めているものは同じ。音楽の力強さを感じた瞬間でした。

ボーダーレスであること。多くの人にとってはごく最近の現象ですが、20世紀にまさにそれを体感していた音楽家がいました。たとえばストラヴィンスキー(1882〜1971)とクセナキス(1922〜2001)。彼らがボーダーレスで活動しなくてはならなかった理由は、母国であるロシアやルーマニアからの亡命、あるいは仕事の都合ではありますが、その状況の中で生まれた音楽は、どの世代・国・文化にも属さない新しいものでした。

こちらは、ストラヴィンスキー 「ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ」

この2人の作曲家を組み合わせた異色のコンサートシリーズ「世界市民」が、2009年パリで開催されました。なかなか盛況で、1000人強のホールが満席でした。音楽そのものへの関心だけでなく、当事者意識を持っている人が多いのだと感じました。


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