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直感を育てる


少し前になりますが、フランスの音楽教育に関する記事を寄稿しました。

「フランスは「直感」の育て方が日本と全く違う~その音楽教育に見る感覚と理論の構築法」

(東洋経済オンライン)

「直感」はとても大事! 音楽祭や国際コンクールなどでも優れたアーティストを見ていると、年齢や国籍を問わず、直感と理論をうまく組み合わせている人が多いですね。そして、音楽の本質をよくとらえて表現されています。

ではどうすればいいのでしょうか?このプロセスを、先日ご紹介した”5つのS”で考えてみました。

まず「あ、なんかこう感じる」という瞬間がある(Spark)。嬉しい、楽しい、悲しい、面白い、心地いい、ザワザワする、「!」「?」・・・、なんでもいいのです。この「点」を大事にできるかどうかが、感性の豊かさにつながっていくと思います。とくに聴覚と触覚は赤ちゃんの頃から発達しているので、ここでとらえたものは自分の根源的な感覚と近そうです。

直感がとらえたものは、本来、はるか遠い先や横の広がりや奥行きを感じているもの。物事や事象の全体をぼんやりとでもとらえているもの。一歩目線を引いてみると、今見えているものよりも大きな図が見えてきます(Step Back→Stretch)。「点」から「面」へ広がるイメージで。

では「そう感じるのはなぜ?本当にそうだろうか?」。問いを発しながら、事実をもとにその根拠を探っていきます(Search→Select)。音楽の場合は、楽譜や時代背景などがその根拠となります。すると今まで「点」の羅列にしか見えなかったものが、こちらとあちらの「点」が結びつき、実は見えない「線」で結ばれていること、さらにその「線」が折重なってできた「面」が脈々と動いていることに気づく。すると、一つ一つの「点」の意味が見えてきます。だから、一音の中にも深い意味を込める演奏ができるのですね。

音楽だけに限らず、日常の中でも言えそうですね。

前日の「!」が、今日の「?」の答えになる。

今日の「?」が、明日の「!」に気づくきっかけになる。

答えの種となる「点」はもうすでにある。それにふと気づくと、直感でとらえた物事がより確信をもって目の前に広がっていきそうです。

関連記事:「感性の変わる時」全4回(ピティナHP「海外音楽教育ライブリポート」より)

関連記事:「子供の感性をひろげるフランスのアート教育」全19回


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