- essugano
「国際コンクールの今」!
世界に数百あると言われる国際コンクール。日本人では萩原麻未さん(ジュネーブ国際音楽コンクール)、後藤正孝さん(リスト国際ピアノコンクール)の優勝が記憶に新しいですね。 今回全日本ピアノ指導者協会の依頼により、「国際コンクールの今」を調べました。まず戦前戦後から現在に至るまでの歴史、そして最近のコンクール動向を6つの観点に分けてみました。すると一つの大きな流れが浮かび上がりました。それはざっくり言うと、「フレッシュな新人発掘」から、コンクール参加の継続化により、「プロフェッショナルの発掘」へとシフトしていること。
いくつか徴候があります。例えば以前は20代前半でもコンクール年齢としては若くないとされていたようですが、最近は年齢制限枠の上昇により、20代後半から30代の参加者も増えつつあります。そういえば2010年度ショパンコンクールでも優勝者含め入賞者の半数以上が25歳以上、また今年のクリーブランド国際コンクールでも、本審査出場者30名のうち半分以上が25歳以上です。これは、ここ数年の変化ではないでしょうか。もちろん20代後半・30代でも演奏家としては十分に若いのですが、年齢を重ねればそれなりの芸術的な進化が求められます。そこで「自分の音楽性をどう発展させていけるのか」という観点を、コンクール側がより重視するようになったと思われます。フリー・レパートリーの増加、本審査の少数精鋭化、キャリア支援の多様化などもその兆しの現れでしょう。未知数の10代より成熟した20代、というとちょっと保守化の傾向も見えますが、成長を急ぎ過ぎないのはいい流れですね。
これだけの数のコンクールがあるからこそ、情報に振り回されず自分に合ったコンクールを上手く選び、自分の芸術を進化させるために生かしてほしいと思います。 今世界にはどのような国際コンクールがあり、どのような変化が起きているのか?詳しくはこちらへ。