これまでの日々

大阪で生まれ、幼少・小学校時代を沖縄、カイロなどで過ごす。カイロではナイル川や遺跡を身近に感じながら、悠久の歴史の流れと今なお残る緩やかな時間感覚を経験した。一方で日本文化を渇望していたのか落語に魅了され、桂歌丸さん『雀ケ森』をもとに劇の台本を書き、日本人学校で同級生と演じたこともある。この頃英国人先生にピアノを習い、そのリズミカルで柔軟な身体とマインドや、ホームコンサートなどで音楽の面白さを体感する。帰国後も学生時代を通してピアノを習い続け、恩師との出会いもありご縁が深くなる。

 

千葉県立東葛飾高校(自主自律がモットーの自由な校風)を経て、上智大学外国語学部入学。在学中に英ランカスター大学へ交換留学し、社会学を学ぶ。少人数グループ討議形式のチュートリアルでは、バックグラウンド・リーディングの多さに圧倒されつつも、一つのテーマをいかに多角的に掘り下げていくのかを学んだ。さらに様々な国の留学生と出会い、多様な価値観やライフスタイルを知る。

 

大学卒業後、全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)へ入局。会報誌『Our Music』編集を通して、特集企画や雑誌を創り上げる面白さ・大変さを味わう。また国際部では英語ニュースレター制作や国際コンクール取材などを通して、音楽は世界共通文化遺産であることを実感。同時に、同じ音楽でも各自の演奏が異なる背景には、個人の才能や技術だけでなく、それを支える解釈、思考、直観と理論のバランス、その教育法などがより深いテーマとしてあることに気づく。特にフランス人演奏家のアイデンティティある演奏に興味を持つ。

 

その後退社し、フランスにて音楽ジャーナリストとして取材活動を始める。音楽・芸術がすべての分野と結びついている社会のあり方に感銘を受け、演奏会や舞台公演、美術館などに足を運びながら日々研究。ある日ふと見つけたフォルマシオン・ミュジカル教材『La Dictée en Musique』にビビッと来て、即出版社にコンタクトを取り、監修者の2人にインタビュー。このようにして興味深いテーマを集めた記事を連載し(「子どもの可能性を広げるアート教育・フランス編」)、のちにピティナ調査報告書第1号となる。

 

帰国後も世界の主要国際コンクールや音楽祭などを精力的に取材し(「海外音楽教育ライブリポート」)、国際コンクールで聴いた演奏者数はのべ千名近くにのぼる。取材テーマは幅広いが、とくに「海外でも通用する才能をのばす教育」「社会における音楽のあり方」は継続的にリサーチしている。オンライン連載「アメリカの大学にはなぜ音楽学科があるのか」を再構成・取材し、2015年に『ハーバード大学は音楽で人を育てる』(アルテスパブリッシング)が出版。音楽のみならず、各方面で大きな反響を呼んでいる。

 

現在、「未来の社会はどうなっているのか?音楽の役割とは?」などをテーマに、本やリポートを執筆中。