音を知覚するプロセス・第1~2ステージ
聴いて動く、感性豊かな耳に

●「この世界をどう感じ、どう受け入れていくか」

生まれたての赤ちゃんは、脳の神経細胞が全方位的に広がっています。それが次第に、周囲の環境に合わせた神経細胞のネットワークが創られていきます。日頃聴いている家族や友だちとの会話、周囲の環境や自然の音などを拾うことによって、一人一人の音の世界が出来上がっていくのです。つまり聴覚が受容している音全てを聞いているのではなく、意味あるものとして認知した音を聴いているのです。これを”間引き現象”といい、3歳から7歳ごろまでにこの神経回路が完成すると言われています(林成之著『子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!』)。ですから、何を意味あるものとして認識するか、がとても大事になりますね。

 

聴覚は「この世界をどう感じ、認識し、どう受け入れるのか」に関わる重要な器官です。そこで鍵となるのは、感情です。人は音を聞くと情動が動きます。喜怒哀楽や快不快、「わぁ綺麗〜!」「あまり心地よくない・・」などの情動とともに、物事は認識されていきます。人間ですから、時には怒りや悲しみも感じてしまうもの。また恐れから耳を塞いでしまい、心を開くのも難しくなることがあります。

とはいえ、人間にとってどの感情も自然なこと。大事なのは、感情を制限したり抑圧するのではなく、感情を客観視して意味づけしていくことです。いわばメタ認知ですね。芸術や音楽を通して様々な表現方法を知ることで、感情を上手に見つめ、表現できるようになるでしょう。それはいずれ創造力にもつながっていきます(→一人一人が創り手になる、第5ステージ)。

●聴いて動く、から始めよう

では、このステージを高めていくにはどうしたらよいでしょうか?同じく聴覚を使う、英語学習法を参考にしてみましょう。ある日英同時通訳者は初期段階の学習法として、シャドーイングやディクテーションを提案されています(関谷英里子著『同時通訳者の頭の中』)。まず音を聴いてそのまま繰り返す(音に合わせて口を動かす)、音を聴いて書き取る―。これは音楽でいえばリトミックと聴音です。聴くのと同時に身体を動かすことがポイントです。実際、「聴くだけ」と「聴いて動く」のでは、後者の方がより理解が進むことが分かっています(参考:”感”から”知”に変える音楽の聴き方~フランスの小学校事例)。

また英語や音楽を一連の流れでとらえていくと、単語や和音といった各要素がつながっていき、少しずつ長い文脈を捉えることができるようになります。つまり、部分部分を断片的に理解するのではなく、全体の中の部分であることを理解すること。これは第3ステージに繋がっていきます。

 →音を知覚するプロセス・第1~5ステージとは?

 →第3~4ステージ

 →第5ステージ

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