音楽で豊かな未来を創る
お子さまや保護者の方へ
リズムに乗って体を揺らしたり、音に合わせてハミングしたり、手をたたいたり、音楽を聴いていると自然に身体が反応します。ご家庭でお子さまと一緒に、まずは好きな音楽をかけながら身体を動かして楽しんでみてはいかがでしょうか。様々なジャンルの音楽を聴くのもいいですね。音楽を聴くことで世界の多様性を体感したり、身体知を高めてくれるでしょう。→「いつもの日常に音楽」
学生の皆さんへ
世界の10代はどんな環境で、どのように音楽に触れ、学んでいるのでしょうか?音楽の学びは、どう人間的な成長につながっているのでしょうか?「世界のジュニア教育」に記事をまとめました。たとえばアーティストからは呼吸の仕方や身体の動かし方、音楽の捉え方、感情表現の方法まで、様々なことが学べます。また音楽には人間の深い感情、愛、喜怒哀楽、社会への意思表示、自然への共感など、いわば人間の歴史が刻まれています。ぜひ音楽を通して、深く「自分を知る、他者を知る、世界を知る」体験をして頂きたいと思います。
小中高の先生方へ
探究学習が導入されたことにより、一般教科でも知識だけではなく感覚を生かす機会が増えてきているのではないでしょうか。自分が感じたこと、好奇心、興味、問い、察知、発見から、どんどん学びを広げていく。感→知というプロセスは学びの本質に近いです。これに伴い、音楽など芸術科目は今後より重視されていくでしょう。音楽で使う身体部位、表現する感情、扱う言語、関連する科目は多岐に渡るので、音楽ならではの資質や価値を意識しながら生かして頂きたいと思います(日本の音楽教育のあるべき姿とは)。科目横断的な学びに関しては、国際バカロレアを採用する中高での音楽授業もご参考に(日本、オーストリア)。
大学教員の先生方へ
なぜアメリカの大学では音楽教育が盛んなのか、学生にどのような問いをしているのか、その結果どのような学生が育っているのか、また扱っているジャンルの幅広さや科目横断的なプロジェクトなど、音楽の学びが強化されているアメリカの今について綴りました(「名門校で音楽授業が盛んな米国、どんな変化が起きた?」)。 日本の総合大学でも音楽や芸術科目が、重要なリベラルアーツ科目として認識されてきています(東大、慶応大、青山学院大など)。日本の大学教授の視点から「MIT音楽の授業」についての考察や、日本への提言もご参考に。
社会の接点にいるすべての音楽関係者へ
どの立場の方であっても、音楽を通して直接的・間接的に社会と繋がっています。たとえば音楽教育や音楽療法を実践される中で培われた力は、潜在能力の発掘、創造力育成、チームビルディング、ストレス緩和など、教育現場やビジネスの場でも生かされていくでしょう。今は人生100年時代となり、多くの方が健康や心の豊かさなど人生の質を優先するようになりました。様々なジャンルの音楽があることで、活力が増したり、癒されたり、境界線を超えて人と繋がるなど、音楽には目に見えなくても大きな影響力があります。アメリカでは音楽の文化的価値や社会的意義を明らかにするため、学術的な研究や活動が多くなされています(「アメリカではなぜ、音楽に民間支援がつくのか」)。
ビジネスパーソンの方へ
優れたリーダーシップ、広い視野と知見からの発想、洞察力や共感力など、ビジネスパーソンには深い教養が求められ、近年ビジネス業界でもリベラルアーツの認知が広まっています。「リベラルアーツがなぜビジネスパーソンにとって必要なのか~映像で学ぶ時代の教養新書」という動画サービスにて、主にMITの音楽授業とイノベーションについてお話しています。同プログラムには様々な領域の専門家が出演され、リベラルアーツを総合的に学べる機会となっています。またビジネスに求められる力を音楽でどう培うのか(「イノベーションの力を伸ばすMITの音楽授業」)、音楽ならではの「ゆらぎ」を想像や創造の場にも生かして頂きたいと思います(「リベラルアーツ全盛時代に音楽を学ぶ意義とは」)。
【参考】未来の人材は音楽で育てる
《書籍》『未来の人材は音楽で育てる』は大作曲家の人生から、未来の人材に必要な5つの精神を学ぶことをテーマにしています。多様性から新しいヴィジョンを生み出す人~身近な多様性に気づきグローバルに生かす(第1章)、ソーシャルマインドをもつ人~互恵社会のなかでともに創造する(第2章)、レジリエンスの精神をもつ人~複数の視点で物事を柔軟にとらえる(第3章)、フロンティアとして道を創る人~普遍的な原理を新しい時代に生かす(第4章)、生命や宇宙のサイクルを感じ取る人~見えない気や感情を察知する(第5章)。また各国の精神的な教育事例も多数紹介!
【参考】耳をひらく~グローバル時代の聴く力
《記事》”聴く”について考察した連載記事「耳をひらく~グローバル時代の聴力」。聴覚は五感による知覚の約1割!聴き方を再考することで、そのポテンシャルを広げ、グローバル時代の音楽の学びや生き方のヒントになれば幸いです。今聴覚はどれくらい生かされているか(第1章)、即応力・共感力(第2章)、空間認知力・論理力(第3章)、推察力・統合力(第4章)、発想力・創造力(第5章)と、段階的に考察しています。